オープンソース物理エンジンの中では、Open Dynamics Engine(ODE)が代表的な存在で、2001年に公開されました。
数多くのゲームや映像制作で使用され、また、後に続く物理エンジンも、このOpen Dynamics Engineをベースにして開発されたものもある物理エンジンとして草分け的な存在です。
他にもBullet Physics、Physx(サービス・サポートは有償)などがオープンソースで提供されている一般的な物理エンジンです。
日本でも大学研究室や一部企業では、自身が構築するシミュレータに活用するため内部で物理エンジンを作られていることがあります。
例えば、東京工業大学の長谷川研究室では、ぬいぐるみの動きの再現や、ハプティックス技術開発を目的にSpring Head (http://haselab.net/project_springhead)が開発されており、また、産業技術総合研究所ではヒューマノイドロボットのシミュレータ開発のため、AIST Engineが開発され、ロボットシミュレータ「Choreonoid」上で使用することができます。
一方で、有償で提供される物理エンジンとしては、映画、コンピュータグラフィック用途に広く使用されているHavok、訓練シミュレータ用途や研究開発分野で使用されるAGX Dynamicsや、Vortexが挙げられます。
オープンソースのエンジンとの違いは、それぞれのエンジンで異なりますが、オープンソースエンジンは最もユーザーが多いゲーム製作を目的としているケースが多く、ソルバーを反復法をベースとした簡略なものが多く、スピード重視の傾向が強くなっています。
それに対して商用エンジンは、それぞれの目的に応じてソルバーやモデルが独自に開発されており、オープンソースの物理エンジンで出来ないことをより安定的に、高速に行うことができるケースが多いと考えられます。
商用物理エンジンの活用は、2010年頃からビジネスの世界でも本格化していると考えられ、近年では自社のシミュレータに外部開発の商用物理エンジンを実装して使用する例が増えきています。